4-1.【単価・LTVを最大化する】コミュニケーションガイド

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内容

コミュニケーションの重要性

質の高いコミュニケーションは仕事の価値を大きく左右します。フリーランスのように明確な会社のルールがない中で、共通認識を持ってコミュニケーションを取ることで、生産性と仕事のやりやすさが大幅に向上します。

特にクライアントとのコミュニケーションでは、その取り方ひとつで成果が5倍、10倍レベルで変わってきます。少しの視点の切り替えや文章の書き方、言葉の選び方を意識するだけで劇的に改善できます。

基本スタンス

1. 当事者意識を持つ

プロジェクトの成功は自分の責任と考えるくらいの当事者意識が重要です。

  • 制作領域では「ただ作ればいい」というスタンスではなく、プロジェクトの成功に対して責任を持つ
  • 自分が作る範囲だけでなく、全体像にどう影響を与えるかまで考える
  • 社内の人間のような視点で、会社やプロジェクトのことを考える
  • 予算も含めて、本当に必要なものを提案できる立場を目指す

2. 待ちをゼロにする

「あれどうなってるんだっけ?」という状態を基本的にゼロにしてください。

  • クライアントが不安に思うような状況を作らない
  • 先回りした動きを心がける
  • ネクストアクションを常に明確にする

3. 効率性を最優先にする

1分1秒が貴重なビジネスの世界において:

  • 無駄なやり取りをしない
  • 必要以上の確認をさせない
  • 機能的に最適化された上でコミュニケーションを取る
  • 関係性を深めるコミュニケーションと、案件を進める機能的なコミュニケーションを混同しない

報告の徹底

週3回の連絡ルール

どんな案件でも、作業期間中は必ず週3回はコミュニケーションを取ってください。

  • 2割でも進捗があれば共有する
  • 何も進んでいなくても必ず報告する
  • 相手からのリアクションを求める必要はない
  • 「今リサーチを進めています」「こう感じました」など、簡単な共有でも良い

この頻度を維持できないとクライアントの満足度が下がると考えてください。

ネクストアクションの明確化

常にネクストアクションを提示

24時間365日、ネクストアクションが明確でないタイミングをゼロにしてください。

  • どんな細かなやり取りでも「次の動きはこれです」を共有
  • 「誰が」「いつまでに」「何をするか」を明確にする
  • 自分側だけでなく、先方側のネクストアクションも整理して共有
  • すべてのやり取りをネクストアクションで終わらせる

基本的なコミュニケーション文章構成

  1. 感謝 - 前回の件でありがとうございました / いつもお世話になっております
  2. 現状報告 - 現在の状況を簡潔に
  3. 詳細説明 - 経緯や分析
  4. 具体的アクション - 次に何をするか
  5. 結論 - まとめ

クライアント翻訳とワークの品質

翻訳者としての役割

抽象的な要望を具体的なアウトプットに変換する翻訳者としての意識が重要です。

  • 「これってどういうことなんだろう?」と常に噛み砕く意識を持つ
  • クライアント自身も理解しきれていない要望を翻訳してあげる
  • 具体的なデザイン例を見せながら確認する
  • 事前準備でリサーチを完了しておく、またはその場で瞬発的に対応できる力を身につける

複数選択肢の提示

「どうしましょうか?」ではなく、「私はこういう理由でこれが良いと思うのですが、どう思いますか?」という仮説を持った推奨を展示してください。

  • 選ぶだけの状態を作る
  • 複数の選択肢を用意する
  • 自分の推奨理由を明確にする

価格戦略

高い・安いに逃げずに価値を正しく伝えることが重要です。

  • 戦略的に安くするのは問題ないが、前提として価値を伝える
  • 「これくらいの価値があるけれど、安くやっています」という構造を明確にする
  • 長期的な関係性を最大化し、単価最大化を目指す

連絡の仕方

メンションの使い方

  • 基本的には先方をメンションする
  • 共有のみ・報告のみの場合はメンションしなくても良い
  • クライアントの状況を考慮して使い分ける

議事録とネクストアクション

  • 議事録はリンクだけでなく、重要な決定事項とネクストアクションを本文に抜き出す
  • その場で見れる状態を作る
  • 詳細な議事録は「ちなみに詳細はこちら」として別途共有

クライアントの期待値管理

常にクライアントの期待値がどこにあるのかを意識してコミュニケーションを調整してください。

  • 相手が何を認識し、何を期待しているかを把握
  • デザインの価値を理解していないクライアントには適切にアプローチ
  • 業種・業態・年齢・価値観によって文章を調整
  • 初回打ち合わせで期待値やニュアンスを感じ取る
  • 分からない場合は仮説を立てて確認する

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