商材別の攻略法
それぞれの商材に最適な提案アプローチ
「スライドもLPも同じデザインでしょ?」
もしこう考えているなら、大きなチャンスを逃しているかもしれません。実は、商材ごとにクライアントの期待値も、決定要因も、提案のポイントも全く異なるのです。
この章では、Harukazeが扱う主要商材について、それぞれの特性を活かした提案方法をお伝えします。商材の違いを理解し、最適なアプローチを選ぶことで、成約率は飛躍的に向上します。
スライド制作 - 時間価値を売る戦略
スライドに隠された本当のニーズ
クライアントがスライド制作を依頼する時、表面的には「きれいなスライドが欲しい」と言います。でも、本当のニーズは違います。
隠れた3大ニーズ
1. 時間を買いたい - 自分で作る時間を他に使いたい
2. 説得力を買いたい - プロの構成で成約率を上げたい
3. 安心を買いたい - 大事なプレゼンで失敗したくない
価値の階層を使った提案術
レベル1:作業代行(低価値)
「テキストをいただければ、
きれいにデザインします」
→ 価格:1枚500円
レベル2:デザイン提案(中価値)
「御社のブランドに合わせた
オリジナルデザインを作成します」
→ 価格:1枚1,000円
レベル3:成果にコミット(高価値)
「プレゼンの目的をヒアリングし、
聴衆の心を動かす構成から設計します。
過去、このやり方で成約率が平均1.8倍に」
→ 価格:1枚2,000円〜
効果的な会話例
営業:「スライド作成に、月何時間使われていますか?」
クライアント:「20時間くらいかな...」
営業:「その20時間を時給5,000円で計算すると、10万円分の時間ですね。
もしその時間でYouTubeを4本撮れたら、
視聴回数40万回、収益にして40万円の可能性があります」
クライアント:「確かに...」
営業:「つまり、スライド制作を外注する本当の価値は、
機会損失の40万円を取り戻すことなんです。
それに対して、弊社の料金は...」
スライド制作の落とし穴と対策
落とし穴1:無限の修正地獄
対策:最初に修正回数を明確にする
「基本プランには2回の修正が含まれています。
それ以上は1回5,000円となりますが、
ほとんどの場合、2回以内で完成します」
落とし穴2:構成の丸投げ
対策:構成作成の価値を別途提示
「デザインのみなら1枚1,000円ですが、
『刺さる構成』から作る場合は2,000円です。
どちらがご希望に近いですか?」
LP制作 - ビジネス全体最適化の提案
LPの本当の役割を理解する
多くの人がLPを「きれいなページ」として捉えますが、実際はビジネスの成否を左右する最重要ツールです。
LPの位置づけを明確にする質問
「このLPは、ビジネス全体のどの部分を担いますか?」
「現在の月間アクセス数と成約率を教えてください」
「LPの後、お客様にどんなアクションを期待しますか?」
ファネル視点での提案
全体最適化の提案例
営業:「LP単体で見ると素晴らしいデザインですが、
実は問題は別のところにありそうです」
クライアント:「どういうことですか?」
営業:「現在、月100アクセスで成約率5%ということは、
月5件の成約ですよね。仮にLPの成約率を10%に倍増できても、
月10件にしかなりません」
クライアント:「確かに...」
営業:「それより、アクセス数を100から1000に増やせば、
現在の成約率のままでも月50件になります。
LP改善と同時に、流入施策も検討しませんか?」
LP制作の価格戦略
松竹梅の提案
🥉 梅プラン(30万円) - デザインのみ - テンプレート使用 - 修正2回まで
🥈 竹プラン(50万円) - オリジナルデザイン - スマホ最適化 - A/Bテスト設計 - 修正3回まで
🥇 松プラン(80万円) - 戦略設計から参加 - コピーライティング込み - 3ヶ月間の改善サポート - 成果測定レポート
競合差別化のポイント
「確かに、もっと安い会社もあります。
でも、弊社の違いは『作って終わり』ではないこと。
過去の実績では、納品後3ヶ月の改善で
平均してCVRが1.7倍になっています。
これは、ただきれいなLPを作るのではなく、
『売れるLP』にコミットしているからです」
ロゴ制作 - ブランド価値創造の提案
ロゴに込められた期待を読み解く
ロゴ制作の依頼の裏には、単なるデザイン以上の期待が隠れています。
3つの期待パターン
- 信頼性の向上
「今のロゴだと、素人っぽく見られそうで...」
→ プロフェッショナルな印象を作りたい
- 差別化の実現
「競合と似たような感じになってしまって...」
→ 独自性を打ち出したい
- 理念の可視化
「会社の想いが伝わるロゴにしたい」
→ ブランドストーリーを表現したい
ロゴの価値を最大化する提案
単体提案から展開提案へ
営業:「新しいロゴ、素敵ですね!
ところで、このロゴが活きる場所を
一緒に考えてみませんか?」
クライアント:「どういうことですか?」
営業:「例えば...
・名刺やパンフレットでの展開
・Webサイトでの使い方
・SNSアイコンでの見え方
・Zoom背景での活用
これらを統一感を持ってデザインすることで、
ブランド価値が最大化されます」
価格の正当化テクニック
「ロゴは一度作れば、5年、10年と使い続けるものです。
仮に5年使うとして、50万円のロゴも
1日あたり274円。
缶コーヒー2本分の投資で、
毎日、プロフェッショナルな印象を
お客様に与えられるんです」
統合提案 - 窓口一本化の価値
なぜ統合提案が刺さるのか
多くの企業が複数の制作会社に発注することで、こんな問題を抱えています:
バラバラ発注の3大デメリット 1. 管理コストが膨大 - 各社への指示出しだけで疲弊 2. 統一感がない - デザインがバラバラで素人っぽい 3. 責任の所在が不明 - 問題が起きても「うちじゃない」
統合提案の切り口
実際の提案例
営業:「現在、デザイン関係は何社に発注されていますか?」
クライアント:「3社かな。LP、バナー、動画で別々...」
営業:「それぞれに指示を出すの、大変じゃないですか?」
クライアント:「正直、けっこう手間で...」
営業:「もし窓口を一本化できたら、どうですか?
弊社が全てのクリエイティブを統括し、
・ブランドガイドラインの統一
・納期の一元管理
・品質の担保
全てお任せいただけます。
〇〇様は指示を出すのは弊社だけ。
あとは完成を待つだけです」
段階的拡大戦略
信頼の階段を上る
第1段階:「まず、今回のLPから」
↓(成功体験)
第2段階:「LP良かったので、バナーも」
↓(信頼構築)
第3段階:「いっそ全部お任せしたい」
価格設定の考え方
ボリュームディスカウントの提示
「個別発注だと...
LP:50万円
バナー:20万円
スライド:30万円
合計:100万円
でも、全てお任せいただければ、
トータル80万円(20%OFF)でご提供します。
しかも、修正時の調整も一括で行うので、
スピードも格段に上がります」
商材横断的な提案のコツ
アップセル・クロスセルのタイミング
ベストタイミング3選
- 納品直後の満足度が高い時
「今回のLPで成果が出たら、
次はLINEのリッチメニューも
統一感を持たせませんか?」
- 新しいニーズが生まれた時
「新商品のローンチですか!
それなら、LP、バナー、プレゼン資料、
全部セットで準備しましょう」
- 競合が動いた時
「競合のA社、最近デザイン一新しましたね。
うちも負けないように、
ブランドイメージを強化しませんか?」
商材別チェックリスト
提案前の確認事項
📊 スライド制作 □ 月間作成時間の確認 □ プレゼンの目的確認 □ 過去の成功/失敗事例
🖥️ LP制作 □ 現在のファネル構造 □ アクセス数とCVR □ 競合LPの分析
🎨 ロゴ制作 □ ブランドストーリー □ 展開予定媒体 □ 5年後のビジョン
📦 統合提案 □ 現在の発注先数 □ 月間制作ボリューム □ 管理工数の実態
まとめ - 商材を超えた価値提供
どの商材を扱うにしても、忘れてはいけないことがあります。
クライアントが買うのは「商材」ではなく「成果」
スライドを買うのではなく、時間を買う。 LPを買うのではなく、売上向上を買う。 ロゴを買うのではなく、ブランド価値を買う。
この視点を持って提案すれば、価格競争に巻き込まれることなく、適正な価格で、クライアントに喜ばれる仕事ができます。
今日から実践すること
✅ 次の商談で、商材の裏にある「本当のニーズ」を探る ✅ 単体提案ではなく、関連商材も含めた提案を準備 ✅ 「作業」ではなく「成果」にフォーカスした話し方
商材別の特性を理解し、それぞれに最適なアプローチを。 そして最終的には、商材を超えた「ビジネスパートナー」へ。
その進化が、あなたの市場価値を何倍にも高めていきます。
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